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2024
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相続した不動産を売却する際の注意点|税金の特例と早く売るメリット

不動産ブログ2026.09.16 更新
相続した不動産を売却する際の注意点|税金の特例と早く売るメリット

「相続した不動産を売却するとき、何に気を付ければいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。相続不動産の売却は、家族間の話し合いや相続登記、税金の特例など、通常の売却にはない注意点があります。

この記事では、相続した不動産を売却する前に確認したい相続登記の義務化と、売却する際の6つの注意点、早めに売却するメリットをまとめて解説します。高崎・前橋で相続した実家や土地の扱いにお悩みの方も、判断の参考にしてください。

この記事でわかること
  • 2024年4月から義務になった相続登記の期限と過料
  • 共有名義で相続した不動産を売るときの同意の取り方と、贈与税の注意点
  • 取得費加算の特例と、相続空き家の3,000万円特別控除の現行要件(期限は2027年12月31日)
  • 相続不動産を早く売却する5つのメリット
  • 取得費・所有期間の引き継ぎと確定申告のポイント

まず確認:相続登記は2024年4月から義務になりました

2024年(令和6年)4月1日から、相続登記が義務になりました。相続の開始を知り、かつ不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する必要があります。相続した不動産を売却する場合も、まず名義を相続人に移しておくのが一般的です。

相続登記の義務化のポイント
  • 遺産分割が成立した場合は、成立した日から3年以内に、その内容で登記する義務もあります。
  • 正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります(登記官から催告を受けても正当な理由なく申請しない場合に限られます)。
  • 2024年4月1日より前に発生した相続も対象です。期限は2027年(令和9年)3月31日まで(取得を知ったのが2024年4月以降なら、その日から3年以内)です。
  • 遺産分割がまとまらないときは「相続人申告登記」で基本的な義務を果たせます(遺産分割後の登記の義務は別に残ります)。

相続による所有権移転登記の登録免許税は、固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)の0.4%です。詳しくは法務省の相続登記の義務化に関するページで確認できます。

注意点1:共有名義のときは全員の同意が必要

1つの不動産を複数人で相続した場合、共有名義のまま売却するには共有名義人全員の同意が必要です。そのためトラブルになったり、揉めたりするケースが起こりやすい点を覚えておきましょう。全員の同意が必要なのは、次の2つです。

売却すること自体への同意

まずは、相続した不動産を売却すること自体に同意を得る必要があります。共有名義人の一人がその不動産に住んでいる場合や、店舗・工場で事業を続けている場合などは、名義人同士で意見が割れることもあります。

同意が得られない場合は、後述する早期に売却するメリットや、不動産を持ち続けるデメリットを説明し、共有名義人全員の理解を得られるよう話し合いましょう。

売却価格への同意

売却に同意が得られたら、次は「いくらで売るのか」を話し合います。価格について全員が納得するのは難しいため、不動産会社に査定を依頼して適正価格を教えてもらうのがおすすめです。

ただし、それぞれが知り合いの不動産会社に依頼すると、査定価格に差が出ることがあります。たとえば、高い査定価格を出す会社を見つけた人が「自分の手柄だ」と、売却代金の多めの取り分を主張する可能性も出てきます。

スムーズに進めるコツ
  • 共有名義人全員が納得した特定の不動産会社に査定を依頼する
  • 事前に売却価格の最低ラインを話し合っておく

注意点2:贈与税の課税対象に注意する

相続した不動産を売却する方法には、「共同登記型」と「単独登記型」があります。

方法内容注意点
共同登記型法定相続の割合で複数名の共有名義にしたあと、共有持分のまま売却する共有名義人全員の同意が必要。反対する人や海外など遠方に住む人がいると売却が難しくなる
単独登記型遺産分割協議で決めた特定の相続人が相続して売却し、得た現金を他の相続人に分配する自分の意思で手続きを進められるが、現金の分配が贈与の対象になる可能性がある

単独登記型は、自分が単独で所有する不動産を売るだけなので、手続きを自分の判断で進められます。一方で、売却後に現金を他の相続人に分けると、贈与の対象になる可能性がある点がデメリットです。

注意

贈与とみなされるのを避けるには、遺産分割協議書に「売却後に現金を分けることを目的として不動産を相続する」ことと、その分け方を明記しておくことが大切です。単独登記型にする場合は、遺産分割協議の段階で売却方法と分割方法まで決め、書き方は税理士や司法書士に確認しておくと安心です。

注意点3:売却は3年以内を目安にする

相続した不動産は、期限内に売却すると控除や特例を受けられます。相続空き家の3,000万円特別控除は相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、取得費加算の特例も相続税の申告期限から一定期間内の売却が条件です。保有し続けるか迷っている方は、早めの売却も視野に入れましょう。

取得費加算の特例

取得費加算の特例とは、相続した不動産を相続税の申告期限から一定の期間内に売却すると、納めた相続税額のうち一定金額を売却時の取得費に加算できる制度です。

不動産を売却すると、利益に対して所得税・復興特別所得税・住民税がかかります。税額は課税譲渡所得金額に税率をかけて計算し、その課税譲渡所得金額の計算に「取得費」が関わってきます。

課税譲渡所得金額の計算方法

収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額

(出典:国税庁)

つまり、取得費が大きくなるほど課税される所得が少なくなり、節税につながります。取得費加算の特例を受けるための主な要件は次のとおりです。

取得費加算の特例の主な要件
  • 相続や遺贈により財産を取得した者であること
  • その財産を取得した人に相続税が課税されていること
  • 相続税の申告期限との関係で定められた期間内に、その財産を譲渡していること

売却できる期間や、取得費に加算できる金額は、国税庁のホームページで確認するか、税理士に相談するとよいでしょう。なお、次に紹介する相続空き家の特例とは併用できません。

相続空き家の3,000万円特別控除

相続空き家の特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例)とは、亡くなった方が住んでいた家やその敷地を、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すると、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。適用期限は2027年(令和9年)12月31日までの譲渡です。

被相続人(亡くなった方)と別居していて戸建てを相続した場合、被相続人が住んでいた家は空き家になりがちです。空き家の老朽化は、近隣への被害や街の景観を損ねるなど多くの悪影響を及ぼしかねないため、この特例を活用して早めに売却を検討しましょう。

相続空き家の特例の主な要件(参考:国税庁)
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 区分所有建物登記がされている建物でないこと
  • 相続の開始の直前に、被相続人以外に住んでいた人がいなかったこと(老人ホームへの入所などの場合の特例あり)
  • 家屋を売る場合:相続の時から譲渡の時まで事業・貸付け・居住に使っておらず、譲渡の時に耐震基準を満たしていること
  • 家屋を取り壊して敷地を売る場合:相続の時から譲渡の時まで使っておらず、取壊し後に建物などの敷地にしていないこと
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること(他の相続人が売った分なども合算して判定)
  • 取得費加算の特例など他の特例を受けておらず、親子や夫婦など「特別の関係がある人」への売却でないこと
令和6年1月1日以後の売却で変わった点
  • 売却後の耐震改修・取壊しも対象に:譲渡の時から譲渡した年の翌年2月15日までに、家屋が耐震基準を満たすようになった場合や、家屋を全部取り壊した場合も対象になりました。買主が耐震改修や取壊しを行う場合も含まれます。
  • 相続人が3人以上なら1人最高2,000万円:家屋と敷地を相続・遺贈で取得した相続人が3人以上の場合、控除額は1人あたり最高2,000万円になります。

(参考:国税庁タックスアンサー)

譲渡所得から控除して税金を軽くする制度なので、要件に当てはまる方は忘れずに確定申告をしましょう。

相続不動産を早く売却する5つのメリット

相続した不動産を売却するメリットは多くありますが、ここでは代表的な5つを紹介します。1つでも気になる項目があれば、早めの売却を検討してみましょう。

  1. 控除や特例を受けられる
  2. 固定資産税と都市計画税の負担がなくなる
  3. 火災保険料や地震保険料の一部が戻ってくる場合がある
  4. 遺産分割がしやすくなり相続トラブルを回避しやすい
  5. 相続税の納税資金を確保できる

1. 控除や特例を受けられる

相続した日から一定の期間が経つ前に売却すると、先ほど紹介した控除や特例を受けられます。不動産は価値が大きく、売却時の税額も大きくなりがちです。控除や特例には期限が決められているため、早めに売ることで有効に活用できます。

2. 固定資産税と都市計画税の負担がなくなる

相続した不動産を持ち続けると、「固定資産税」と「都市計画税」を払い続ける必要があります。住宅が建っている土地は税額が抑えられる仕組みがありますが、空き家を適切に管理せず放置すると、その優遇が受けられなくなる場合があります。

維持するだけで税金がかかり、放置すれば負担が増えるおそれもあるため、早めに売却を検討しましょう。

3. 火災保険料や地震保険料の一部が戻ってくる場合がある

相続した不動産に建物がある場合、火災保険や地震保険に加入していることが多いでしょう。長期契約の保険を途中で解約すると、契約内容によっては残りの期間に応じた解約返戻金が戻ってくる場合があります。

放置している期間が長いほど、戻ってくる金額は少なくなります。解約の条件や手続きは、保険会社などに確認しましょう。

4. 遺産分割がしやすくなり相続トラブルを回避しやすい

不動産を共有名義にすると、売却時の全員の同意や、固定資産税などの負担割合、誰が維持するのかといった点がトラブルの原因になります。売却して現金化すれば、相続人が複数いても遺産を分けやすくなり、相続トラブルを避けやすくなります。

5. 相続税の納税資金を確保できる

一定以上の財産を相続すると、相続税の納税が必要になります。特に不動産は評価額が大きいため、相続税が高額になる可能性があります。

現預金の相続であれば現金で納税できますが、不動産はそう簡単にはいきません。売却して現金化することで、相続税の納税資金を確保できます。

注意点4:親との同居・別居で使える税金の特例が異なる

被相続人と相続人が同居していたかどうかで、利用できる特例が異なり、支払う税額に大きな差が生じることがあります。相続人自身もその家に住んでいた場合に利用できる可能性がある特例は、次の5つです。

  • マイホームを売ったときの特例(3,000万円の特別控除)
  • マイホームを売ったときの軽減税率の特例
  • 特定のマイホームを買い換えたときの特例
  • マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  • 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

これらの特例を受けるには、確定申告が必要です。売却時は税額も大きくなるため制度は上手に活用したいところですが、節税目的で一時的に同居していたと判断されると、特例を利用できなくなります。

特例を利用できないとされる家屋(出典:国税庁)
  • この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
  • 居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
  • 別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋

また、被相続人と同居していたかどうかで相続税額も変わることがあります。同居していた場合は、一定の要件のもとで土地の相続税評価額を大きく減らせる特例を使える場合があります。不動産の評価額は土地が占める割合が大きいため、詳しい要件は税理士や国税庁の情報で確認しておきましょう。

注意点5:取得費と所有期間は親の分を引き継ぐ

譲渡所得の計算に使う「取得費」は、不動産を取得した際の購入金額などです。相続した不動産は相続人が購入したわけではありませんが、被相続人が購入した際の取得費が相続人に引き継がれます。

また、譲渡所得にかかる税金は、売却した年の1月1日時点の所有期間によって税率が異なります。

区分所有期間(売却した年の1月1日時点)所得税復興特別所得税住民税合計
短期譲渡所得5年以下30%0.63%9%39.63%
長期譲渡所得5年超15%0.315%5%20.315%

(参考:国税庁タックスアンサー)

相続した不動産の所有期間は、原則として被相続人が取得した日から数えます。相続した日から数えるわけではないため、被相続人が長く所有していた不動産であれば、相続後すぐに売っても長期譲渡所得となり、税率が低くなります。

注意点6:利益が出た場合は確定申告が必要

相続した不動産を売却して利益が出た場合は、確定申告が必要です。申告にあたっての注意点や方法を見ていきましょう。

被相続人が契約した売買契約書を探す
取得費や所有期間によって税額は変わり、被相続人が「いくらで」「いつ」購入したかは相続人に引き継がれます。売買契約書を探し、購入時の金額と日付を確認しましょう。
申告書を作成して提出する
土地・建物の売却は、申告書第一表・第二表と第三表(分離課税用)で申告し、特例を使うときは譲渡所得の内訳書も添付します。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成し、e-Taxで送信するか、印刷して郵送等で提出できます。わからない場合は、不動産会社から税理士を紹介してもらうのもよいでしょう。
申告期限までに申告する
確定申告は、原則として売却による所得があった年の翌年2月16日から3月15日までに行います。どの時点を売却の年とするかで申告する年が変わることがあるため、契約日と引き渡し日が年をまたぐ場合は税務署や税理士に確認しましょう。
注意
  • 売買契約書が見つからない場合、実際の購入金額より取得費が小さく計算されることが多く、その分だけ税金が増えやすくなります。契約書の保管場所は、生前から確認しておくとよいでしょう。
  • 申告期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税などの余計な税金がかかります。期限内に必ず申告しましょう。
補足

この記事は2026年9月時点の制度にもとづいています。税制や手続きは改正されることがあるため、実際の申告・登記の前に、国税庁・法務局などの最新情報や専門家(税理士・司法書士)にご確認ください。

よくある質問

相続登記はいつまでにすればよいですか?
相続の開始と、不動産を取得したことを知った日から3年以内です。2024年4月1日より前の相続も対象で、その場合は原則2027年3月31日までです。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。
共有名義の相続人の一人が売却に反対しています。売却できますか?
共有名義のまま売却するには、全員の同意が必要です。早めに売却するメリットや持ち続けるデメリットを説明し、全員の納得を得られるよう話し合いましょう。
相続した空き家の特例はいつまで使えますか?
制度の適用期限は2027年(令和9年)12月31日までの譲渡です。あわせて、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。相続人が3人以上の場合、控除額は1人あたり最高2,000万円です。

まとめ

  • 相続登記は2024年4月から義務。取得を知った日から3年以内に申請し、怠ると10万円以下の過料の対象
  • 共有名義の場合は、売却自体と売却価格の両方に全員の同意が必要
  • 単独登記型で売却して現金を分ける場合は、遺産分割協議書の書き方に注意する
  • 相続空き家の特例は2027年12月31日までの譲渡が対象。売却後の耐震改修・取壊しも対象になり、相続人3人以上なら1人最高2,000万円
  • 取得費と所有期間は親の分を引き継ぎ、利益が出たら期限内に確定申告する

相続不動産の売却には、家族間の争いごとや、税金を多く払ってしまうリスクがあります。兄弟姉妹や親族と揉める原因を作らないためにも、不動産や相続について正しい知識を身に付けておきましょう。

弊社は地域密着のネットワークを活かし、高崎・前橋を中心に不動産に関わってきました。不動産売却は、地域の相場を熟知していないと希望の価格や期間での売却が難しくなります。売主様の利益を考え、できる限り早く、高く不動産を売却するお手伝いをいたします。不動産のご売却をお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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株式会社Room’s
この記事を書いた人
株式会社Room’s
群馬県高崎市の不動産会社

群馬県高崎市・前橋市の不動産情報を発信しています。賃貸物件の管理から売買、建築相談、リノベーションまでお気軽にお問い合わせください。

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