「机上査定と訪問査定って何が違うの?」「どちらで査定してもらえばいいの?」と迷っている方もいるのではないでしょうか。不動産会社に売却の査定を依頼するときは、この2種類の方法から選ぶことになります。
この記事では、机上査定と訪問査定の違いやそれぞれのメリット・デメリット、向いているケースを解説します。訪問査定の準備や当日のポイント、信頼できる不動産会社の選び方もまとめたので、高崎・前橋で売却を考えている方も参考にしてください。
- 机上査定と訪問査定の違いとメリット・デメリット
- それぞれの査定方法が向いているケース
- 訪問査定までに準備しておく書類(登記識別情報など)
- 訪問査定を受けるときの5つのポイント
- 信頼できる不動産会社を選ぶ5つのポイント
1. 机上査定と訪問査定の違い
| 机上査定 | 訪問査定 | |
|---|---|---|
| 方法 | 現地に足を運ばず、物件の情報や取引事例などから概算で査定する | 現地に足を運び、建物の状態や周辺環境なども調べて査定する |
| 査定価格がわかるまで | 現地調査がないぶん比較的早い | 現地調査などがあるため、机上査定より時間がかかる |
| 書類の提出 | 必要ない | 必要 |
| 査定の精度 | 概算 | 机上査定より正確 |
| 近隣に知られる可能性 | ほとんどない | ある |
机上査定とは
机上査定は「不動産簡易査定」とも呼ばれ、不動産会社が対象の不動産まで足を運ばずに、概算で価格を査定する方法です。現地調査をしないぶん、比較的短い期間で概算金額を知ることができます。かかる日数は不動産会社や物件によって異なります。
机上査定では、次のような情報をもとに、過去の売買実績や現在売りに出ている不動産の情報、公示価格などから査定価格を算出します。
- 物件の所在地
- 土地や建物の面積
- 土地の形状
- 前面道路の幅員(道路の幅)
- 間取り
- 築年数
訪問査定とは
訪問査定は、不動産会社が対象の不動産がある現地まで足を運び、周辺環境を調査して査定価格を算出する方法です。部屋の向き(日当たり)や建物の劣化状況、隣接する土地や道路の状況などを加味するため、机上査定より時間がかかります。
訪問査定では、机上査定より詳しい情報と登記事項証明書などの書類をもとに、売買実績や現在売りに出ている不動産の情報などから査定価格を算出します。必要な書類は「5. 訪問査定までに準備しておくこと」で紹介します。
2. 机上査定のメリット・デメリット
メリット1:査定にかかる時間が短い
机上査定では、不動産会社が現地に行かず、インターネットで調べられる範囲や自社の知見・経験をもとに査定価格を出します。現地調査がないため、比較的早く査定価格を教えてもらえます。
一方、訪問査定では担当者が現地に足を運び、場合によっては役所で建築基準法に抵触していないかなども調査します。売却の経緯のヒアリングや、売主側の書類準備もあるため、査定価格を知るまでに時間がかかります。まずは概算金額だけでも知りたい方は、机上査定を依頼するのがよいでしょう。
メリット2:依頼する際に手間がかからない
机上査定は、訪問査定と違って書類の提出が必要ありません。不動産会社に足を運ぶ必要もなく、電話やインターネットで完結することが多いため、日中忙しくなかなか時間が取れない方にとってはメリットです。
メリット3:近隣に売却の意向が知られにくい
机上査定では、不動産会社が現地を確認せずに査定価格を提示することがほとんどです。家の周りをスーツ姿の人が歩き回っていると目立ちますが、机上査定ならそうしたリスクを避けられます。
デメリット1:査定価格が概算でしかない
机上査定は現地調査や役所での調査を行わないため、建物の劣化状況や周辺環境などを詳しく把握できません。たとえば外壁や屋根の劣化状況、日当たりなどは現地で確認しないとわからないため、正確な価格は算出されません。
デメリット2:悪質な不動産会社もある
複数の会社に査定を依頼すると、「高い金額を提示してくれた会社に任せたい」と考える方も多いでしょう。しかし、相場とかけ離れた金額を提示して媒介契約を獲得しようとする悪質な不動産会社もいます。
提示された高い金額で売りに出しても長期間売れ残り、結果的に価格を下げざるを得なくなる可能性があります。このような不動産会社がある点は覚えておきましょう。
3. 訪問査定のメリット・デメリット
メリット1:正確な査定価格を把握できる
担当者が実際に不動産を確認してから査定するため、机上査定より正確な査定価格になります。詳しい情報を調査したうえで査定するので、売却に適した時期や売却方法についてアドバイスをもらえることもあります。
メリット2:不動産会社を見極められる
机上査定は担当者と会わずに電話やインターネットだけで完結することもありますが、訪問査定では対面で話を聞けます。売却の経緯や希望の金額を伝えたうえで、担当者がどのように対応してくれるのかがわかります。
不動産の売却は何度もあるものではなく、金額も大きいため、信頼できる不動産会社・担当者に任せることが大切です。
デメリット1:時間と手間がかかる
訪問査定では、不動産会社の担当者が現地を確認し、戸建てやマンションなら建物の内部も見てもらう必要があります。複数の会社に依頼する場合は、会社ごとに日程を調整して立ち会うことになるため、そのぶん手間がかかります。いち早く相場を知りたい方や、日中忙しい方にとってはデメリットです。
デメリット2:近隣に売却の意向が知られる可能性がある
担当者が周辺状況を確認するため、不動産の周りを歩き回ることになります。それを見た近隣の方が、売却の意向に気づくこともあるでしょう。近隣との関係によっては知られたくないこともありますが、訪問査定ではこうしたリスクがあります。
4. 机上査定と訪問査定それぞれに向いているケース
- 売却することが確定していないとき
- 不動産が遠方にあるとき
- 不動産の売却が初めてのとき
- 売却することがほぼ確定しているとき
- 売却の方法について知識がないとき
机上査定:売却することが確定していないとき
売却するか悩んでいる方にとって、「いくらで売れるのか」は重要なポイントです。机上査定は電話やインターネットで完結することもあり手軽なので、まだ売ると決めていないけれど相場観を知りたい方に向いています。
机上査定:不動産が遠方にあるとき
不動産が遠方にあると、不動産会社が対応できなかったり、自分が現地に行くのに時間がかかったり、日程調整が難しくなったりすることがあります。訪問査定では価格を知るまでに時間がかかるため、まずは机上査定がおすすめです。
机上査定:不動産の売却が初めてのとき
売却の経験がないと、どのような流れで進むのかわからない方が多いでしょう。知識がないままいきなり訪問査定を受けると、担当者と密にやり取りをすることになり、疲れてしまう可能性もあります。まずは気軽に机上査定をして、地域の相場観を把握することから始めるのがおすすめです。
訪問査定:売却することがほぼ確定しているとき
売却を前提に価格を知りたい場合は、訪問査定で正確な金額を把握する必要があります。複数の不動産会社に依頼すれば、担当者の対応を見て、売却をお願いする会社を見極めることもできます。
訪問査定:売却の方法について知識がないとき
訪問査定では、正確な価格を算出したうえで、売却の時期や方法についてアドバイスをもらえることがあります。不動産会社も、物件の状態や周辺の成約事例を細かく調査することで、具体的なアドバイスができるようになります。売却方法についてアドバイスがほしい方は、訪問査定を依頼するとよいでしょう。
5. 訪問査定までに準備しておくこと
書類を準備する
求められる書類は不動産会社によって異なりますが、主な必要書類は次のとおりです。
- 登記事項証明書
- 登記識別情報(または登記済証(権利証))
- 印鑑証明書
- 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)
- 固定資産税納税通知書
- 土地の測量図
- 建物の図面
- マンションの場合は修繕積立金がわかる資料
登記識別情報は、登記が完了したときに名義人本人に通知される12桁の符号です。平成17年3月7日に施行された新しい不動産登記法で、それまでの登記済証(権利証)に代わって導入されました。以前に交付された登記済証(権利証)も、今でも登記の手続きに使えます。
登記識別情報は再発行されないため、見当たらない場合は早めに不動産会社にご相談ください。詳しくは法務局の登記識別情報に関するQ&Aでも確認できます。
このほか、購入時の売買契約書やローン残高証明書などを求められることもあるため、事前に不動産会社に確認しておきましょう。
建物の外と中を掃除する
マンションなら水回りや玄関、戸建てならそれに加えて庭や玄関までのアプローチ部分などをきれいにしておくと、担当者に好印象を持ってもらえます。販売活動中に購入希望者が見つかれば内覧もあるため、事前にきれいにしておけば直前に慌てて掃除する必要もありません。
掃除が売却価格に直接影響するわけではありませんが、関係者に好印象を与えるためにも掃除をしておくことをおすすめします。
売却価格の相場を調べる
訪問査定で正確な価格はわかりますが、不動産会社によって査定価格が異なる場合があります。依頼する前に自分でも相場を調べておけば、提示された査定価格が適正かどうか判断できます。
相場を調べるには、訪問査定の前に複数の不動産会社に机上査定を依頼する方法や、不動産取引情報提供サイトなどで過去の成約価格を調べる方法があります。査定価格を鵜呑みにしないためにも、まずは相場観を知ることから始めましょう。
6. 訪問査定を受けるときの5つのポイント
希望の条件を伝える
不動産会社は売主の希望を叶えられるように販売活動をするため、売却の時期や金額などの希望は事前に伝えておきましょう。特に、住宅ローンの残債を完済するための売却や、相続税の納税のための売却など、理由がある場合は売却価格が重要なポイントになります。
購入希望者がいて成り立つ売買なので、すべての希望が叶うわけではありません。それでも、販売活動に影響する希望条件はしっかり伝えておきましょう。
建物の不具合や近隣問題を伝える
建物の不具合や近隣問題を伝えておかないと、売買が終わってから買主と揉める原因になります。実際に住んでいないとわからない設備の不具合などは、売却価格に影響するポイントでもあります。
2020年4月1日に施行された改正民法では、引き渡した物件が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合、売主は「契約不適合責任」を負います。買主から修補などの追完、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められることがあります。
隠しておけば価格は高くなるかもしれませんが、その後のトラブルを避けるためにも、不具合や近隣問題は正直に伝えましょう。
物件の情報を詳しく伝える
訪問査定は、概算で行う机上査定と違い、詳しい情報をもとに正確な価格を査定します。必要書類以外にも、物件に関する情報はできるだけ細かく担当者に伝えましょう。
売却を検討している背景を伝える
売却資金が必要な理由や時期などによって、価格設定も変わります。不動産会社が提示する査定価格は、一定の販売期間で売却が見込める価格として出されるのが一般的です。どのくらいの期間を想定した価格なのかは、査定のときに確認しておくと安心です。売却の背景によっては、より高い価格でチャレンジすることもできます。
また、所有者が複数名いるなど揉めやすいケースでも、事前に背景を伝えておけば解決策を一緒に考えてくれるかもしれません。
リフォームをしているかどうかを伝える
リフォームをしていれば、査定価格が上がる可能性があり、購入希望者へのアピールポイントにもなります。リフォームを行っている場合は、時期や内容がわかる資料とあわせて査定の前に伝えましょう。
7. 信頼できる不動産会社を選ぶ5つのポイント
対象の不動産がある地域に強い
地域に強い不動産会社なら、地域特有の情報やネットワークを活かして購入希望者を早く見つけたり、物件の良さをアピールしたりできます。地域の情報量が多ければ購入希望者も安心できるため、売買が決まるスピードが早くなる可能性が高まります。
地域での活動の長さを知る手がかりの1つが、宅地建物取引業者の免許番号です。免許番号からは免許の更新を重ねてきたかどうかがわかり、長く営業を続けているかの目安になります。ただし、更新回数が少なくてもしっかり対応してくれる会社もあるため、あくまで参考程度にしましょう。
迅速な対応をしてくれる
不動産の売買はタイミングが大切です。購入希望者が見つかっても、不動産会社の対応が遅いだけで逃してしまうこともあります。質問への回答や査定価格の提示までが早い会社なら、スムーズに売却できる可能性が高まるでしょう。
提案をしてくれる
希望を聞いて応えるだけでなく、より良い売却方法を提案してくれる不動産会社のほうが安心できます。何度もあるものではない売却を成功させるために、売れやすくする方法や時期など、細かい提案をしてくれる会社を選びましょう。
多くの売却実績がある
売却実績があれば、安心して販売活動を任せられます。売却実績はホームページなどで確認できるため、事前に見ておくことをおすすめします。戸建てやマンションなど会社によって得意分野が分かれるので、対象の物件の売却実績が多い会社を選びましょう。
査定価格の根拠に納得できる
先ほど紹介したように、査定価格を高く提示してとりあえず媒介契約を獲得しようとする悪質な不動産会社もあります。そうした会社に任せると、購入希望者がなかなか見つからず「売れ残っている物件」という印象を与え、結果的に値下げして販売することになりかねません。
査定価格の根拠を丁寧に説明できる担当者がいる不動産会社を選ぶことで、このようなリスクを減らせます。
よくある質問
この記事は2026年9月時点の制度にもとづいています。税制や手続きは改正されることがあるため、実際の申告・登記の前に、国税庁・法務局などの最新情報や専門家(税理士・司法書士)にご確認ください。
まとめ
- 机上査定は現地に行かず概算で査定する簡易的な方法、訪問査定は詳しい情報や資料をもとに正確な価格を査定する方法
- 売却が未確定・遠方の物件・初めての売却なら机上査定、売却がほぼ確定・アドバイスがほしいなら訪問査定が向いている
- 訪問査定の前に、書類(登記識別情報または登記済証など)の準備・掃除・相場の確認をしておく
- 建物の不具合は、契約不適合責任のトラブルを避けるためにも正直に伝える
- 地域に強く、対応が早く、提案力と実績があり、査定価格の根拠に納得できる会社を選ぶ
中には悪質な不動産会社もあり、想定より低い価格で売却することになる可能性もあります。査定を依頼する前に自分でも相場観を把握し、不動産会社の言い値で売却しないようにしましょう。
Room’s(ルームス)は、地域密着のネットワークを活かして高崎・前橋の不動産に関わってきました。不動産売却は、地域の相場を熟知していなければ、希望の価格や期間での売却はうまくいきません。売主様の利益を考え、できる限り早く、高く売却するお手伝いをいたします。不動産の売却をお考えの際は、お気軽にご相談ください。














