不動産を売却しようと考えたとき、「仲介」と「買取」のどちらを選べばよいのか迷われる方は多いのではないでしょうか。2つの方法は買主が誰になるかが異なり、売却価格や現金化までのスピードも大きく変わります。
この記事では、仲介と買取の違いと、それぞれのメリット・デメリットを整理してご紹介します。両方の良さを取り入れた「買取り保証」や、買取が向いている人についても、高崎・前橋で不動産売却のご相談をお受けしているRoom’sが解説しますので、ご自身に合った売却方法を選ぶ参考にしてください。
- 不動産売却の「仲介」と「買取」の違い
- 買取のメリット・デメリットと契約不適合責任の考え方
- 仲介のメリット・デメリットと仲介手数料の上限(800万円以下の特例を含む)
- 買取り保証の仕組みと、利用前に確認したいこと
- 買取を選んだ方がよい人の特徴
1. 不動産売却の「仲介」と「買取」の違い
「仲介」と「買取」のいちばんの違いは買主が誰になるかです。買取では不動産会社が直接物件を買い取り、仲介では不動産会社が間に入って、実際に住みたい一般の買主を探します。
買取は、リサイクルショップや古本屋さんに物を売りに行くのと近い感覚です。条件がまとまれば不動産会社に買い取ってもらえるため、買主が見つかるのを待つ必要がありません。
一方の仲介は、実際に住む人を探す時間がかかるため、売れるまでに時間を要します。また、不動産会社への仲介手数料もかかります。売却価格の相場も、買取と仲介では異なります。
| 項目 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 買主 | 不動産会社 | 一般の人 |
| 売却価格 | 仲介より低くなりやすい | 買取より高く売れる可能性がある |
| 現金化までの期間 | 早い | 買主が見つかるまで待つ必要がある |
| 仲介手数料 | かからない | かかる |
| 契約不適合責任 | 契約で免除とするケースもある | 問われることがある |
| 内覧・広告 | 不要 | 必要 |
2. 不動産売却「買取」のメリット
不動産会社に直接購入してもらう買取には、次のようなメリットがあります。
メリット1:仲介手数料がかからない
買取では、不動産会社そのものが買主になるため「仲介」にはあたりません。書類などの必要な手続きは不動産会社が行いますが、仲介手数料を支払う必要がないため、諸費用を抑えられます。
メリット2:現金化までが早い
買主が現れるのを待つ必要がないため、売却の希望条件のすり合わせができれば、売主のスケジュールに合わせて手続きを進めてもらえます。売却価格が早い段階でわかり、現金化までのスピードも仲介と比べて早くなります。
スケジュールが明確なので、資金計画も立てやすくなります。売却後に次の物件の購入を考えている方や、まとまった現金が早めに必要な方にとってうれしいメリットです。
メリット3:契約不適合責任の負担を軽くできる場合がある
契約不適合責任とは、引き渡した物件が種類・品質・数量について契約の内容に適合しない場合に、売主が負う責任です。2020年4月1日に施行された改正民法で、それまでの「瑕疵担保責任」から改められました。
買主は、修補などの追完請求、代金の減額請求、損害賠償請求、契約の解除を求めることができます。不適合を知ってから1年以内に、その旨を売主へ通知する必要があります。
仲介で一般の方に売却した場合、引き渡し後に設備の故障などが見つかると、この責任を問われることがあります。不動産会社に買い取ってもらう場合は、契約で売主の責任を免除する取り決めをするケースもあり、売却後の負担を減らしやすくなります。
買取でも、売主がどこまで責任を負うかは契約の内容によって決まります。免除の取り決めがあるかどうかは、売買契約書で必ず確認しましょう。制度の説明は法務省の案内ページでも確認できます。
メリット4:内覧の手間を省ける
買取では、現状確認のために一度お部屋を見てもらうだけで売却手続きを進められます。一般の方が内覧に訪れることはないため、内覧対応の手間がなく、家の中を知らない人に見られる心配もありません。
メリット5:周りに知られずに売却できる
仲介で売却すると、不動産情報サイトなどに掲載されるため、多くの人に知られます。不動産会社に直接買い取ってもらえば、広く情報が出ることはありません。
売却期間も短いので、家族や知人、近隣の方に知られたくない場合は、買取での売却がおすすめです。
3. 不動産売却「買取」のデメリット
デメリット1:仲介より売却価格が低くなりやすい
手続きの手間が少なく現金化が早い反面、買取は仲介よりも売却価格が低くなりやすい方法です。不動産会社は、売主から買い取った物件にリフォームなどを行い、きれいな状態にしてから販売するためです。
リフォーム代や物件を売るための広告費などを販売価格に上乗せする必要があるため、相場の価格で買い取ると販売価格が高くなりすぎ、購入する人が現れなくなってしまいます。そのため買取価格は、仲介で売る場合の相場より低くなるのが一般的です。少しでも高く売りたい方には、仲介がおすすめです。
デメリット2:物件によっては買取できない
物件の状態によっては、買取できない場合があります。明確な基準が設けられているわけではありませんが、リフォームできないほど老朽化している物件は難しいかもしれません。
ご自身の物件が買取可能かどうかは、あらかじめ不動産会社に問い合わせておくと安心です。
4. 不動産売却「仲介」のメリット
メリット1:買取より高く売れる可能性がある
仲介の最大のメリットは、買取よりも高く売れる可能性がある点です。不動産会社は売主の希望条件に叶うよう、希望に近い金額で広告を掲載して買主を探します。
不動産会社が売れやすい時期や価格を考えながら販売活動を行うため、納得のいく価格で売れる可能性が高まります。
メリット2:購入検討者の意見が聞ける
仲介では、内覧に同席する機会があります。購入を検討している方が家の中を見ながら話す率直な感想を聞けるため、うれしく感じる方も多いです。
5. 不動産売却「仲介」のデメリット
デメリット1:広告宣伝活動が必要
仲介では、買取と異なり物件情報を広く公開します。売値はもちろん、部屋の中の構造などの情報も掲載されます。
抵抗がなければ問題ありませんが、家を売りに出していることや物件の売値を知られたくない方には、仲介はおすすめしません。
デメリット2:仲介手数料がかかる
仲介で売却すると、不動産会社への報酬として仲介手数料がかかります。金額は不動産会社によって異なりますが、国の告示で上限額が定められています。
| 物件価格(税抜)の区分 | 上限の料率(税抜) | 上限の料率(税込) |
|---|---|---|
| 200万円以下の部分 | 5% | 5.5% |
| 200万円超400万円以下の部分 | 4% | 4.4% |
| 400万円超の部分 | 3% | 3.3% |
物件価格をこの3つの部分に分け、それぞれの料率を掛けて合計した額が、依頼者の一方から受け取れる上限です。400万円を超える物件なら、「価格×3%+6万円(税抜)」という速算式でも同じ額になります。
2024年7月1日から、価格(税抜)800万円以下の宅地・建物については、通常の計算額を超えて、上限33万円(税込)まで仲介手数料を受け取れる特例があります。売主・買主のどちらから受け取る場合も対象で、不動産会社は媒介契約を結ぶときに、あらかじめ上限の範囲で報酬額を説明し、依頼者の合意を得る必要があります。
- 上限の範囲内であれば、不動産会社が金額を設定できるため、会社によって金額は異なります。
- 支払いの時期や方法も会社によって異なるため、売却を依頼するときに確認しておきましょう。
デメリット3:売却期間が長くなりやすい
仲介では、物件の買主が現れるのを待たなければなりません。売れるまでの期間は物件の条件や価格設定によって大きく変わり、長引くこともあります。条件がまとまれば早く現金化できる買取と比べると、待ち時間は長く感じられるでしょう。
できるだけ早く現金に換えたい方は買取、時間をかけてでも高く売りたい方は仲介が向いています。
6. 仲介と買取のいいとこどり「買取り保証」とは
買取り保証とは、仲介で一定期間内に買主が見つからなかった場合に、事前に取り決めた条件で不動産会社が買い取るサービスです。売れるかどうか心配な仲介でも、売れなかったときの出口をあらかじめ決めておけます。
仲介での売却に疲れた経験がある方や、仲介と買取のどちらを選ぶべきか悩んでいる方に検討していただきたい方法です。
物件によっては、買主がなかなか見つからないこともあります。売れない状況が続くと物件の手入れを行う期間も長くなり、遠方の物件なら手入れのためだけに足を運ばなければなりません。買取り保証がある不動産会社を選べば、万が一売れなかったときの見通しを立てやすくなります。
買取り保証のメリット
仲介と買取のどちらのメリットも取り入れられるのが、買取り保証の大きなメリットです。まずは仲介で高く売ることを目指しながら、売れなかった場合は不動産会社に買い取ってもらえます。
- 仲介手数料がかからない
- 契約の内容によっては、契約不適合責任が免除される
- 「早く売らないと」という焦りを抑えて売却活動ができる
売れなかった場合は、仲介から買取に売却方法が切り替わるとイメージするとわかりやすいでしょう。
買取り保証のデメリット
最終的に不動産会社が買い取る約束をしたうえで契約を結ぶため、買い取りに切り替わった場合の価格は、通常の仲介で売れた場合より安くなりやすい点はデメリットです。ただし仲介でも、売れない期間が続くと売却価格を下げることになり、それでも売れ残ってしまうことがあります。
仲介で売れる見込みが十分にある方にはメリットが小さくなりますが、売れるか自信がない方には検討の価値があります。また、1社だけに任せる媒介契約が条件になっている場合があり、その場合は複数の不動産会社に依頼したい方には向いていません。
買取り保証を利用する前に確認したいこと
買取り保証の条件は、不動産会社ごとに異なります。契約する前に、次の点を確認しておきましょう。
- 媒介契約の種類に条件があるか(専属専任媒介契約など、1社だけに任せる契約が必要か)
- 保証の対象になる物件の条件
- 買取価格と、買取に切り替わるまでの期間
- 買い取られた場合の契約不適合責任の扱い
媒介契約の種類
専属専任媒介契約は、仲介の契約を不動産会社1社としか結べない契約方法です。買取り保証の条件として1社だけに任せる契約を求められた場合、複数の不動産会社と契約を結べる「一般媒介契約」では利用できないことになります。
1社に依頼したあとで複数の会社に依頼したくなっても、契約期間中は依頼先を変えにくくなります。1社に任せて進めるか、複数社に依頼して見てもらえる人を増やすか、事前に考えておきましょう。
物件の条件
最初から買取で売る場合は、リノベーションを前提にしていることが多いため、古い物件でも相談に応じてもらえることがあります。一方、買取り保証はもともと仲介での売却が前提のため、買い手がつきやすい物件かどうかが見られます。
どのような物件が対象になるかの基準は不動産会社によって異なり、最終的な判断は仲介を依頼する不動産会社が行います。
次のような物件は、買い手がつきにくいとして、買取り保証の対象外とされることがあります。実際の基準は各社にご確認ください。
- 旧耐震基準の建物(1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物。新耐震基準は1981年6月1日から適用)
- 専有面積が狭い物件
- 人口が少ないエリアの物件
7. 不動産売却で「買取」を選んだ方がよい人
仲介は高く売りやすく、買取り保証を使えば売れなかったときの備えになりますが、売却までに時間がかかるのがデメリットです。ここでは、どのような状況の方が買取を選んだ方がよいのかを解説します。
築年数が古い物件を売りたい人
仲介では、リノベーションをせずにそのままの状態で買主に引き渡すのが基本です。築年数が経過し、老朽化が目立つ物件は比較的売れにくいでしょう。
買取では、不動産会社が買取後にリノベーションを行うケースが多いため、築年数が古くても買い取ってもらえる可能性があります。価格は低くなりやすいものの、売却の見通しを立てやすいので、築年数が古い物件は買取も検討しましょう。
周りに知られずに売却したい人
買取は不動産会社との直接取引なので、仲介のように物件情報が広く掲載されることはありません。内見で他人が家に入ってくることもないため、プライバシーを守りたい方や、広告活動を避けてひっそり売りたい方に向いています。
早く現金化したい人
買取なら、条件がまとまれば仲介より短い期間で現金化できるのが一般的です。新たな物件の購入や大きな買い物で資金が必要な方も、スケジュールを立てやすく安心して売却を進められます。
よくある質問
この記事は2026年9月時点の制度にもとづいています。仲介手数料や民法などの制度は改正されることがあるため、実際に契約する前に最新の情報をご確認ください。
まとめ
- 仲介と買取の違いは「買主」。買取は不動産会社、仲介は一般の人が買主になる
- 買取は現金化が早く、仲介手数料がかからず、周りに知られずに売却できる
- 仲介は買取より高く売れる可能性があるが、仲介手数料と時間がかかる
- 仲介手数料には上限があり、800万円以下の物件には上限33万円(税込)の特例がある
- 買取り保証は、売れなかったときに取り決めた条件で買い取ってもらえるが、条件は会社ごとに確認が必要
どちらを選ぶかは、ご自身が何を求めるかによって異なります。まずは自分に合う売却方法を考え、その方法がとれる不動産会社を見つけましょう。
高崎・前橋のRoom’s(ルームス)は、地域密着のネットワークを活かして不動産に関わってきました。不動産売却は、地域の相場を熟知していないと希望の価格や期間での売却はうまくいきません。売主様の利益を考え、できる限り早く、高く売却するお手伝いをいたしますので、お気軽にご相談ください。














