不動産の売却を考え始めたとき、「いつ売ればいいのか」「売れやすい時期はあるのか」が気になる方は多いのではないでしょうか。
不動産売却には「売り時」といわれるタイミングがあります。タイミング次第で売却条件やスムーズに売れるかどうかが変わり、たとえ条件の良い物件でも、時期によっては思うように進まないことがあります。
この記事では、高崎・前橋で不動産売却をお手伝いしているRoom’sが、家を売りやすいタイミングと、売れにくい時期、税金から見た売り時の考え方について解説します。
- 不動産売買が活発になりやすい時期と、売り出しを始める時期
- 相場の調べ方と、相場から見た売り時の考え方
- 所有期間5年・10年の節目と、税金の特例から見た売り時
- 築年数や大規模修繕が売却に与える影響
1. 不動産売買が活発になりやすい時期(繁忙期)
不動産の取引には、買う人が増えやすい時期があるといわれます。一般的に、新年度を控えた春(2〜3月ごろ)と、異動の多い秋ごろは購入希望者が増えやすく、売却のタイミングとして検討しやすい時期です。
| 時期 | 特徴 | 売り出しの目安 |
|---|---|---|
| 春(2〜3月ごろ) | 4月の新年度・入園や入学・転勤や異動に向けて、住まいを探す人が増えやすい | その少し前(年末年始ごろ) |
| 秋ごろ | 春ほどではないが、転勤や異動に合わせて購入希望者が増えることがある | その少し前 |
春に売りたいなら早めの売り出しを
4月からの新生活に向けた取引は、その前に進むことが多くなります。そのため、少し早めに売り出しを始め、不動産ポータルサイトなどで購入希望者の目に触れるようにしておくと安心です。
秋も少し前から準備を
秋も春と同様に、購入希望者が動き出す少し前から売り出しの準備を進めましょう。
売買が活発でない時期でも、家がまったく売れないわけではありません。購入希望者は減っても、購入の検討度合いが高い方が多い可能性があります。条件が合えば、時期に関係なく希望に近い価格で売れることもあります。
2. 不動産価格の相場から考える
不動産の相場は社会情勢や景気と密接に関係しているため、売却のタイミングを判断するうえで重要なポイントです。
金銭的に最も得なのは「安いときに買って、一番高いときに売る」ことですが、プロの不動産会社でもそう上手くはいきません。相場の傾向をつかむには、国土交通省が公表している「地価公示価格」や「不動産価格指数」をチェックするとよいでしょう。
地価公示価格と基準地価
地価公示価格は、土地売買の目安となる価格です。不動産鑑定士が鑑定した標準地の鑑定結果をもとに発表される代表的な指標で、最近の土地価格の動きをつかむ参考になります。
知りたい土地の近くに標準地がない場合は、「基準地価」も参考になります。基準地価は国ではなく都道府県が調査するもので、地価公示価格とあわせて土地価格の目安として使えます。
ただし、実際に取引される価格は、土地の形状や周辺環境、駅からの動線などによって変わります。価格に影響する条件がまったく同じ土地はないため、公表価格はあくまで参考値とし、より実際に近い価格を知りたい場合は不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
不動産価格指数
不動産価格指数は、国土交通省が不動産の取引価格情報をもとに公表しているものです。物件の立地や特性の影響を取り除いて算出され、不動産価格の動向を把握するのに役立ちます。
地価公示価格が特定の地点の土地の価格水準を示すのに対し、不動産価格指数は土地に限らず、住宅地・戸建て・マンションなどの広い範囲の取引動向を示します。売却を考えるときは、最新の公表内容を確認して、住宅やマンションの価格の流れをつかんでおきましょう。
相場から考える売り時のセオリー
- 相場が下落傾向なら、早く売ったほうが有利になりやすい
- 相場が上昇傾向なら、様子を見る選択肢もある
- 相場が横ばいなら、時期による差は出にくい
理想は、相場が底のときに買った物件を、ピークのときに売ることです。しかし不動産の相場は細かい動きを繰り返すため、プロでも判断は難しいものです。
たとえば、上昇気味の相場が一瞬下がったときに慌てて売ったら、直後に回復することもあります。予測が難しくても、「買ったときより高く売れるか、安くなるか」はおおよそ把握できるはずです。買ったときより高く売れそうであれば、売却を前向きに検討してよいタイミングといえるでしょう。
3. 税金や特別控除から考える
不動産売却にかかる税金の中には、売るタイミングによって支払額が変わるものがあります。税負担を抑えるために知っておきたい制度は、次の4つです。
① 所有期間5年の節目:短期・長期譲渡所得の税率
売却で得た利益を「譲渡所得」といい、所得税・復興特別所得税・住民税がかかります。課税譲渡所得は「売却代金-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」で計算し、税率は所有期間によって大きく変わります。
| 区分 | 所有期間(売却した年の1月1日時点) | 所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
(参考:国税庁タックスアンサー)
所有期間は、売却した年の1月1日時点で判定します。取得してから実際に5年が経っていても、売却した年の1月1日の時点で5年を超えていなければ短期譲渡所得となり、合計39.63%の税率になります。
売却を急がないのであれば、所有期間が5年を超える年まで待つと税率が下がる場合があります。取得日と「売却する年の1月1日」を確認して、税率が切り替わる時期を見極めましょう。なお、相続や贈与で取得した不動産は、原則として亡くなった方や贈与した方が取得した日から数えます。
② 3,000万円の特別控除
マイホームを売却する際に、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。譲渡所得が3,000万円以下なら、譲渡所得にかかる税金はかかりません。
控除を受けるには、原則として売却した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をする必要があります。ほかにも、売った年の前年・前々年にこの特例を受けていないこと、親子や夫婦など「特別の関係がある人」への売却でないことなどの要件があるので確認しておきましょう。(参考:国税庁タックスアンサー)
特に注意したいのが売却の期限です。すでに住んでいない家の場合、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売らないと、この特例は使えません。住み替えなどで空き家になっている方は、早めに検討しましょう。
③ 所有期間10年の節目:10年超所有軽減税率の特例
マイホームを売却した年の1月1日時点で、家屋と敷地の所有期間がともに10年を超えている場合に、軽減税率が適用される特例です。課税長期譲渡所得金額の6,000万円以下の部分は、次のように税率が低くなります。
| 区分 | 所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 6,000万円以下の部分 | 10% | 0.21% | 4% | 14.21% |
| 6,000万円超の部分 | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
(参考:国税庁タックスアンサー)
この特例は、3,000万円の特別控除と併用できます。所有期間が10年に近いマイホームなら、「売却する年の1月1日時点で10年を超えるか」を確認してから売り出し時期を決めるのも一つの方法です。
④ 相続した家を売るときの特例
相続または遺贈で取得した家を売る場合は、次のような期限のある特例があります。
- 相続税の取得費加算の特例:相続税の申告期限から一定の期間内に売却すると、納めた相続税の一部を取得費に上乗せでき、譲渡所得が少なくなります。期間の詳細は国税庁のホームページや税理士にご確認ください。
- 相続した空き家の3,000万円特別控除:昭和56年5月31日以前に建築された被相続人の住まいなど、一定の要件を満たす家を、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ると、最高3,000万円を控除できます。制度自体の適用期限は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡です。
相続した家は、特例の期限を意識して早めに売却を検討しましょう。(参考:国税庁タックスアンサー)
4. 住宅ローン金利から考える
金利が低いときは、購入希望者が住宅ローンを組みやすく、同じ価格の物件でも最終的な支払額を抑えやすいため、買い手がつきやすいといわれます。
ただし、金利だけで売り時を判断するのは危険です。金利の動きは景気や相場とも関係しており、今後どうなるかを正確に予測することはできません。金利の動きにも注意しながら、あくまで売り時を判断する指標のひとつとして、ほかの要因とあわせて検討しましょう。
5. 家の築年数から考える
不動産の売却額は、築年数によって大きく変わります。一般的に築年数が浅いほど高く売れやすく、年数が経つほど建物の評価は下がり、売却額も低くなりやすい傾向があります。
戸建てもマンションも、築年数が進むと購入希望者が減ったり、価格の交渉が入りやすくなったりします。タイミングを逃さないよう、築年数を意識して計画を立てることが大切です。
6. マンションは大規模修繕の時期もチェック
大規模修繕とは、マンションを老朽化から守り機能を維持するために、計画的に行われる修繕のことです。管理組合などが長期修繕計画を立てて定期的に実施し、費用には修繕積立金が充てられます。
一般的には、大規模修繕の前に売るのがおすすめといわれます。大規模修繕をきっかけに修繕積立金が増額されるマンションもあり、それが売却価格に影響することがあるためです。
もちろん、修繕後は設備や共用部分が新しくなり、買主によい印象を与えられます。ただ、多少見た目が古くても、共用部分の掃除が行き届いていたり、室内の内装が綺麗だったりすれば売却は可能です。管理組合の長期修繕計画や積立金の予定を確認しておきましょう。
7. 家が売れにくい時期
不動産の取引は、繁忙期以外の時期には落ち着きやすいといわれます。特に次のような時期は、購入希望者の動きが鈍くなりやすいと考えられます。
- 夏(お盆のころ):夏休みやお盆で予定が多く、暑さもあって内覧に出かけにくい
- 年末年始:忙しく、家を買って新生活を始めようという気持ちになりにくい
特定の時期に一つのエリアで売却が集中すると、相場に影響が出ることがあります。似た築年数や間取りの物件が一気に売りに出されれば、周辺の相場は下がりやすくなります。近くで大規模マンションが分譲されると、周辺の中古物件の価格に影響することも。そのような場合は、早めに売りに出すなどの対策を検討しましょう。
この記事は2026年9月時点の制度にもとづいています。税制や手続きは改正されることがあるため、実際の申告・登記の前に、国税庁・法務局などの最新情報や専門家(税理士・司法書士)にご確認ください。
よくある質問
まとめ
- 購入希望者が増えやすいのは、一般的に新年度前の春と異動の多い秋ごろ。春なら早めに売り出す
- 相場の動きを「地価公示価格」「不動産価格指数」で確認する
- 所有期間は売却した年の1月1日時点で判定。5年超で合計39.63%→20.315%、10年超のマイホームは6,000万円以下の部分が14.21%
- 3,000万円控除は住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日まで、相続空き家の特例は令和9年12月31日までの譲渡が対象
- 築年数が浅いほど高く売れやすく、マンションは大規模修繕の前が一般的におすすめ
売却を成功させるポイントは、自分の都合だけでなく買主の目線でタイミングを考えることです。売り時の判断にはさまざまな要素があるため、迷ったときはプロの不動産会社に相談するのが一番です。
Room’sは地域密着のネットワークを活かし、高崎・前橋を中心に不動産に関わってきました。不動産売却は、地域の相場を熟知していなければ希望の価格や期間での成功は難しいものです。売主様の利益を考え、できる限り早く、高く売却するお手伝いをいたします。ご売却をお考えの際は、お気軽にご相談ください。














